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リコメンダー 大和 晶学生時代に映画に魅せられて以来、365日自主制作映画に埋もれたPFF事務局を皮切りに、ビデオ誌の編集、映画宣伝などを経て映画ライターに。とにかく、日々映画に接する人生をひたすら歩き続けてきた蓄積を活かして、国内外の様々な映画や映画人、映画祭などの魅力をお伝えします。

恋焦がれシネマ通信『フィリップ、君を愛してる!』

entertainment掲載日10-04.12

IQ169の頭脳をフル稼働!
愛ゆえに詐欺と脱獄を繰り返した男

 「愛は盲目」とはよく言ったもの。主人公のスティーヴンは、それこそ、「愛する人に気持ちを伝えたい」「愛する人と一緒にいたい」「愛する人を幸せにしたい」がためだけに、IQ169のズバ抜けた頭脳を駆使。次々と詐欺を働き、それがバレて刑務所に収監されれば、今度は巧妙な手口で4度も脱獄。そのなりふり構わぬがむしゃらさ、猪突猛進ぶりには、ハァーと呆れ返りながらも、胸がすくような爽快感と、抱きしめたくなるような愛おしさを覚えてしまう。同時に、こんなにも純粋に愛に突っ走ることができたら、これ以上の幸せはないだろうな、という一抹の羨ましさも。それと言うのも実は、この“世界一の幸福者”スティーヴンは実在の人物なのである。
 そう。まさに事実は小説より奇なりで、これは、懲役167年を科せられ、現在テキサスの刑務所で服役中の、天才詐欺師スティーヴン・ラッセルの実話をもとにした、ノンフィクション小説の映画化。もちろん、映画的によりドラマティックに描いてはいるものの、愛ゆえの詐欺や脱獄のエピソードは、全て実際にあったことというから、驚いてしまう。まさに、奇想天外この上ないリアル・ラブストーリーなのである。

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